株式会社ソーシャルインテリア 代表取締役 町野 建
インテリアの世界を3歩先に進める
INDEX
ソーシャルインテリアは、何を実現しようとしているのか?
インテリアの文化の底上げのため、インテリアの世界を3歩先に進めるために何をやるのか?
すでに素晴らしいインテリアとそれに関わる人は存在する。あとは何をやるか
ソーシャルインテリアは、何を実現しようとしているのか?
ソーシャルインテリアは、何を実現しようとしているのか?
日本のインテリアの文化は伸びしろがもっとある
私は、当社で二社目の起業ではありますが、元々インテリア業界で経験があったわけではなく、インテリアは単純に好きだったというレベルでした。
そういう意味で、当社のビジョン云々以前に、1人のインテリアファンとして、もっと日本のインテリアのレベルを上げたい。もっと自分の部屋やオフィスを楽しむ文化を根付かせたい。そんな想いがありました。
当社の事業立ち上げを通して、数多くの家具を創り、取り扱っておられる会社様に伺う機会が多いのですが、お一人お一人お話を聞き、家具をじっくり見ていくと、発見や驚きばかりで、安易な表現かもしれませんが「全部欲しい!」と思うことが本当にたくさんありました。
さらに、インテリアを提案するお仕事に従事されている皆様の苦労やこの仕事の奥深さ、そして何よりもそのお仕事への想いにも感銘を受け、当社ならではのご支援ができたらいいなと思い、現在に至っています。
そこから、インテリアに対する考え方が世の中にうまく届いていない、または、いろんな要素がうまく融合していないような事象に対し、当社をハブとして何かできないかと考え、現状の事業構成に至りました。
インテリアの文化の底上げのため、インテリアの世界を3歩先に進めるために何をやるのか?
インテリアの文化の底上げのため、インテリアの世界を3歩先に進めるために何をやるのか?
いい家具を手にするハードルを一気に下げる
気に入ったいい家具を新品で買おうかなと思ったときに、必ずハードルになるのは、当たり前ながら価格です。2017年にアメリカのメジャーなベンチャーイベントに参加したとき、ハードウェアをサブスクで提供するというビジネスが多数発表されており、日本でもこの流れはくるなと当時感じました。
これを家具でできるようにすれば、”いい家具は高くて手に入りずらい”という敷居を下げられるのではと繋がり、家具のサブスクサービス「サブスクライフ」を6ヶ月で立ち上げて提供開始しました。現在では、家具に限らず、照明から家電、スピーカーなどインテリアにまつわるものや、ビンテージ家具、ユーズド家具までご利用いただけるようになっています。
家具は実はかなり捨てられてしまっている現状があり、このサブスクライフを通して、いい家具を長く循環させていくことも狙いの一つです。いい家具は大切に使えば、本当に永く使えますから。
複数のインテリア商品を提案・納品する内装・設計会社様の手間を減らしたい
ダイニングテーブル、ダイニングチェア、ソファ、ローテーブル、ベッド、ラグ、カーテン、照明などなど、家やオフィスの家具を提案・納品する際に、すべてを別々に在庫確認し、各メーカー様ごとに異なる連絡方法を取らなければなりません。商品探しは紙のカタログから行うことも多いです。
インテリアコーディネーターさんや営業の方にヒアリングすると、コーディネート提案よりも、検索や受発注に多くの時間が割かれ、本来時間をかけるべき提案自体に時間を使うことができていないことがわかりました。
そこで、当社で家具やインテリアアイテム情報を大量にデータベース化し、いつでも異なるブランドを横断的に検索できるほか、プレゼン資料のダウンロードや発注も簡単にできるプラットフォーム「ソーシャルインテリア 業務管理クラウド」を2023年に本格稼働させました。これによって、オフィスや店舗の内装・設計会社の担当者様が本来価値を発揮すべき業務にエネルギーを使える手助けになればと想っています。
また、このプラットフォームをフリーのインテリアコーディネーターさんに限定して開放し、実際に使っていただいて改善を繰り返す取り組みを、荒井詩万さんにアドバイザーとして加わってもらっており、インテリアコーディネーターさんがしっかりと収益面も含めてお仕事しやすくするモデルも開始しています。
また、何よりも、このサービスを展開するには、インテリアメーカー様のご協力が欠かせません。サービススタート時から数百ブランドに渡るメーカー様のご協力をいただきました。本当にありがとうございました。今後もコツコツとインテリア業界を楽しくする活動を積み上げていきたいと思います。
コロナ禍を超えて、今オフィスってなんのために?
コロナをきっかけに、リモートワークのみでいいのではないかという考えや、シェアオフィス活用が一般的になったり、あらためてオフィスを持つ意味が問い直されていると思います。
ひと昔前は「どの会社で働くか」が主たる価値観でしたが、今はそれに加えて「どの場所で(どういう哲学を持った会社で)働くか」への価値観が非常に高く寄与し始めていると思います。
その、働く人のスタイルや価値観と企業の哲学・理念やメッセージが真に反映された場が、これからのオフィスにより強くなっていくと考えています。会社の哲学や理念がどんなにすばらしくても、最後にオフィスのデザインに落とし込んだときに、あるべき家具が高価で導入できないとなれば、最後の最後で、社員満足度が下がりオフィスデザインをも損ねてしまうことになりかねません。そんな時にサブスクをご活用いただいています。
とはいえ、デザインへの落とし込み方には様々なレベル感や深度の話しがあるので、模索中の部分もあり、インテリアコーディネーターのMAKOさんに監修をお願いして、一歩一歩当社の洗練度を上げていく作業を全社で取り組んでいます。
様々な各メーカーの家具をまとめて見れる場所としてのTHE MUSEUM
青山・表参道近辺には、有名な家具ブランド様のショールームが数多くあります。各社各ブランド様の見せ方があり、とても楽しい場所ですよね。私も好きでよくお伺いしています。
これまで日本には、特に法人向けのインテリア商品を横断的に見ることができる場がなぜかありませんでした。そこで当社が培ってきたメーカー様とのネットワークを生かし、ブランド横断的にコーディネートされた場を企画プロデュースしようと思いプロジェクトが開始しました。実現には1年半を用しましたが、家具に限定せず、照明、植栽、アート、音、香り、床・壁材、についても総合的にコーディネートしており、この点が寄与してこれまでにない体験型ショールーム「THE MUSEUM」を完成させることができました。
私がこのプロジェクトのアイデアを思いついたときは、反対する声や難易度の高さに対する意見もかなりいただきましたが、賛同してくれた社員と、当社のお取引先メーカー様にご協力をいただき、いわば、共創型のプロジェクトとして完成することができました。今後は、メーカー様と共同で、提案・商談できる場としても使っていただき、共にお仕事を創出していこうと考えています。
インテリア業界には、皆様が知らないけどいい商品が本当にたくさんあります。まず当社が責任を持ってハブとなり、可能な限りお客様にまず認知され、結果いい商品が少しでも世の中に流通し、オフィスや個人の部屋がよりここちよい世界を作っていければと考えています。
すでに素晴らしいインテリアとそれに関わる人は存在する。あとは何をやるか
すでに素晴らしいインテリアとそれに関わる人は存在する。あとは何をやるか
世界の中でも、日本は車や食、ファッション文化は、トップクラスに成熟していると思いますが、それに比べてインテリアはまだまだ伸びしろがある気がしています。
素敵なインテリア商品を創り、それを展開する素晴らしい仕事をされている皆様を裏側から新しい仕組みで繋いで、日本のインテリア文化を底上するため、汗をかく黒子として、皆様のお力を借りつつ実現していきます。
みなさま今後ともお力添えをよろしくお願いいたします。
町野 健
まちの けん
株式会社ソーシャルインテリア 代表取締役
上智大学大学院修了。日本ヒューレット・パッカードでコンサルタント、マクロミルにて経営企画、海外事業立ち上げを経て、2012年にキュレーションマガジン「Antenna(現:antenna*)」立ち上げのため、グライダーアソシエイツを創業。3年で500万ダウンロードを達成し、黒字化まで育て上げる。 その後、2016年にソーシャルインテリアを創業。2018年3月に家具のサブスクリプションサービスを開始。 事業立ち上げ、メディア、マーケティングが専門。