ブランドプロデューサー 久々野智 小哲津 ✕ 株式会社ソーシャルインテリア 代表取締役 町野 健
今までのインテリアの文化や慣習に変革を起こしたい。日本の部屋を豊かにする!
インテリアの文化を高めたい町野が、インテリアの文化を3歩先に進ませるにはどういう視点が必要か?をブランドプロデューサーの久々野智 小哲津(くくのち こてつ)さんにお話を伺います。
INDEX
インテリアは、なぜかいい家具と素敵なコーディネートと消費者がつながってない
西洋風の生活の歴史の短さ。生活スタイルの違いが
インテリアの世界に革命を起こしたい
インテリアは、なぜかいい家具と素敵なコーディネートと消費者がつながってない
インテリアは、なぜかいい家具と素敵なコーディネートと消費者がつながってない
- 町野
- 私がこの仕事を始めて改めてはっきりわかるのは、海外だけでなく日本にはいい家具作ってる会社さんもたくさんあるし、素敵な住宅作ってるところもたくさんあるし、センスのいい部屋に住みたいという方もたくさんいる。でもそれが一体となって、文化として成熟している状況までいってるかっていうと。うん、決してそうじゃないですよね、インテリアとか住環境全般に関しては。なんかひとつひとつの要素がつながってない。
- 久々野智
- 日本の職人さんや会社はいいものをつくってますよね。
- 町野
- そう!それはもう毎日、取引先様と接してて感じてます。
- 久々野智
- 家具と住宅住環境とインテリアコーディネーターと消費者がつながってない。なんでだと思いますか?
- 町野
- 買う側の買い方が、椅子だけ探す、ベットだけ探すとか、単品になりがちなんですよね。今の捉え方が。住むところの豊かさって、壁を左官職人さんが塗ってその質感から外からの光の入り方から香りや漂うお香の煙まで、さらにはどんなアートを飾るのか?古典なのか現代アートなのか?というトータルな捉え方まで全然いってないんですよね。
- 久々野智
- 家具のショールームは、当然ブランドごとだし。
- 町野
- 新オフィス兼ショールームの「THE MUSEUM」は、各ブランドさんにご協力いただきながらその辺りを一緒に見られる場所にしていきたいと考えています。ヴィンテージのものとかアンティークのものも、合わせて。
- 久々野智
- ここでお客様といい家具とインテリアコーディネーターが交わるようになれば楽しいですね。
西洋風の生活の歴史の短さ。生活スタイルの違いが
西洋風の生活の歴史の短さ。生活スタイルの違いが
- 町野
- 日本人って、そもそも今のような西洋的な部屋に住む歴史がまだ短いじゃないですか。戦後、日本の住宅政策で公団ができたり持ち家が住宅ローンで持てるようになって。まだ数十年の積み重ねしかないので、トータルのセンスがあがらないのは致し方ない。時間がかかって当然だと思います。それを私たちの取り組みで少しでも前に進めていければと考えています。
- 久々野智
- 家に招くというのも日本人は少ないですよね。特にヨーロッパだと、家に招いて食事を振る舞うのがもっといいおもてなしで親睦を深める通過儀礼でもある。家に招かれると、その人のセンスや大事にしているものがインテリアからわかる。特に壁にかけてある家族との写真やアートがその人、その家の感性や哲学を象徴している。日本では、この人ってどんなインテリアで壁になんのアートがあるだろうなんていう風には、会った人について考えない。そのあたりの差は大きいのかなと思います。
- 町野
- アートもインテリアとまったく別の業界みたいになっているのをうまくつなげていきたい。コテツさん、ぜひやってください!
- 久々野智
- 町野さんが前々から力説するので、素敵なギャラリーさんに協力してもらって、「THE MUSEUM」で特別な展覧会を定期的にすることになりました。
インテリアの世界に革命を起こしたい
インテリアの世界に革命を起こしたい
- 久々野智
- ファッションの世界って、この20年で革命的なことが起こったとみてます。ユニクロがなかなかの服を大衆に届ける状態にした。今、男性でもダサい人って少ないですもん。ユニクロきてれば何となく程よくセンスがいいと。ファッションの民主化といってもいいぐらいのこと。
- 町野
- お金を持ったらとにかく高い家具並べて置けばいいとか、安い家具で全部揃えて引越しごととか数年で全部捨てればいいとか、そういうのでいいのかな?という漠然とした引っ掛かりがこの会社の創業前からありました。
サービスとしていい家具をサブスクで手に入れられるようにしたりしているのは、よいアイテムでインテリアを楽しむ文化をつくりたいから。それ以外のサービスもすべて、インテリアの文化を革命的に高めたいからだし、そこに貢献できないとインテリア領域でベンチャーを立ち上げる意味ってないんじゃないかなと思ってます。
- 久々野智
- あえて厳しくいいますが。でも、今の取り組みだけだとできなくないですか?
- 町野
- ここまでも家具メーカーさんやブランドさんに新しいサービスのご協力のお願いに伺ったり、法人様のオフィス構築でその企業さんが良くなる提案を研究したり、インテリアコーディネーターさんにご意見いただきながらサービス改善したりしてきています。
コテツさん言われるとおり、そうした取り組みを持ってしても、私たちと接していただくインテリアの関係者の方々や消費者の方に提供している価値が足りているとは考えてません。
改善の取り組みや関係者様との緊密な連携は、これからも積み重ねていくし、消費者の方々に認めていただけるように今まで以上に取り組み続けます。
その意志の表明として、あえてインテリアの文化を3歩先に進ませる、革命を起こすと表現しました。
- 久々野智
- サブスクやDXのサービスなどデジタル領域での展開が目をひきますが、あくまでこういう新しい取り組みは、人と人の草の根活動でしか花開かないのでお客様や関係者様に対面で熱量持ってやっていきましょう。
流通するものは家具というものでも、文化づくりは対話によってですから。
- 町野
- はい!そうでないといけないと考えています。